労災保険の給付にも種類があります。療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付、傷病補償年金など。その内容について解説します。

 

当記事の作成にあたり、東京労働局ホームページ厚生労働省のリーフレット労災保険給付の概要8・9ページダイヤモンドオンラインの記事・「ローサイが降りる」ケースはこんなにある:おもな労災保険給付一覧を参考にまとめています。

 

2015/06/02 16:41:02

労災保険の給付の種類

労災保険の給付とは、業務災害や通勤災害に認定されたときに、現物給付という治療行為や休業補償や障害補償給付などの現金給付のことをいいます。

 

療養補償給付(りょうようほしょうきゅうふ)

労働者が業務上の負傷や疾病にかかって療養を必要とする場合には「療養補償給付」が行われます。
また通勤災害により負傷や疾病にかかって療養を必要とする場合は「療養給付」といいます。

 

休業補償給付

労働者が業務上により傷病のために休業し、そのために賃金を受けない場合に4日目から休業補償給付が支給されます。

 

その額は賃金を受けない期間1日につき給付基礎日額の60%が支給されますが、給付基礎日額の20%が特別支給金として支給されますので、合計で給付基礎日額の80%が支給されます。通勤災害によるものは「休業給付」といいます。

 

障害補償給付

障害補償給付は、業務上の傷病が治ったあと身体に一定の障害が残った場合に支給されます。障害給付は、通勤災害による傷病が治ったあと身体に一定の障害が残った場合に「障害給付」が支給されます。

 

遺族補償給付

遺族補償給付は、労働者が業務災害により死亡した場合に遺族に支給され、遺族給付は労働者が通勤災害により死亡した場合、その遺族に対し支給されます。
支給には、障害補償年金と障害補償一時金があります。通勤災害によるものは「遺族給付」といいます。

 

葬祭料

葬祭料又は葬祭給付は、労働者が業務上又は通勤の事由により死亡した場合に支給されます。
通勤災害によるものは「葬祭給付」といいます。

 

傷病補償年金

傷病補償年金又は傷病年金は、労働者の業務上又は通勤による負傷又は疾病の療養開始後1年6か月を経過した日、又はその日以後において、当該負傷又は疾病が治らず、それによる障害の程度が労災保険法施行規則別表第2の傷病等級表に定める傷病等級に該当し、その状態が継続している場合に、その障害の程度に応じて支給されます。
通勤災害によるものは「傷病年金」といいます。

 

介護補償給付

介護補償給付は、業務災害又は通勤災害により被災し、障害の状態が重度のため、常時介護又は随時介護を受けている方に対して、その介護費用の実費補填として支給される給付になります。
常時介護の場合は、介護のために支出した額で上限は104,290円となっています。
通勤災害によるものは「介護給付」といいます。

 

二次健康診断等給付

労働安全衛生法に基づく健康診断のうち、直近のもの(一次健康診断)において、脳血管疾患及び心臓疾患に関連する一定の項目について異常の所見があると診断された場合に、労働者の請求により、二次健康診断及び特定保健指導が給付されます。

労災保険の特別支給金

労災保険の給付には、労災保険から支給される給付金の他に、社会復帰促進等事業の中のひとつにある「被災労働者援護事業」から支給される特別支給金があります。

 

そのため、労災保険からの基本的な給付金に加えて「特別支給金」が支給されます。
ただし、すべての基本給付金に上乗せされるものではなく、以下のものが該当します。

 

こちらは、厚生労働省のリーフレット・特別支給金の種類を参考にしています。

 

基本給付

特別支給金

休業補償給付又は休業給付

休業特別支給金

障害補償給付又は障害給付 障害特別支給金 障害特別年金
障害補償給付又は障害給付 障害特別支給金 障害特別一時金
遺族補償給付又は遺族給付 遺族特別支給金 遺族特別年金
遺族補償一時金又は遺族一時金 遺族特別支給金 遺族特別一時金
傷病補償年金又は傷病年金 傷病特別支給金 傷病特別年金

以上、労災保険の給付の種類についての記事でした。

 

該当カテゴリー:労災保険
関連カテゴリー:雇用保険(失業保険)健康保険