このページでは長野県白馬村で起こった地震による建物被害と地震保険金の支払いについて考えてみたページです。

 

2015/05/31 14:32:31

地震による被害

地震被害にあった方々にはまずお見舞い申し上げます。
そして寒い季節でもあるので1日も早い復旧を願っています。

 

特に長野県白馬村では震度6弱ということもあり、建物の被害状況は196棟と報道されていて大変な被害状況となっています。

 

長野県白馬村地震被害
とやまとめ@富山のまとめサイト (@toyamatome) 2014, 11月 23

 

 

その中で家屋倒壊は43棟あるようですが、その後の再建築を考えるとどうしても地震保険との関係が出てきますので、ここで地震保険から受取れる保険金について整理しておきたいと思います。

 

まず、地震保険の支払いにあたっては建物、家財とも「3つのパターン」に分かれるということです。

 

1、全損・・・契約金額の100%が支払われる
2、半損・・・契約金額の50%が支払われる
3、一部損・・・契約金額の5%が支払われる

 

という3つです。

 

では、地震保険の全損ですが、建物が倒壊までしないと地震保険金が満額支払われないのか?

 

というとそういうわけではありません。

 

地震保険金が全損、半損、一部損として支払われる場合の基準は以下のようになっています。

地震保険から満額の100%支払われる全損

地震等により損害を受け、建物の主要構造部である軸組(柱、はり等)、基礎、屋根、外壁等の損害の額が、その建物の時価額の50%以上になった場合、または焼失あるいは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上になった場合

 

たとえば、3000万円の火災保険に加入している場合は、最大地震保険には50%の1500万円まで加入できます。(地震保険の加入上限額は5000万円です)

 

この場合は、地震によって建物の柱や屋根、外壁等で被害額が50%以上あれば1500万円支払われることになります。

 

でも、支払いで定義されている点で気になるのが「時価額」ですね。

 

時価額とは、同等のものを新たに建築や購入するのに必要な金額から、経過年数による消耗分を差し引いた金額というものです。

 

では、30年も経過した建物は価値がないのかというとそうではなくて、地震保険上では人が住んでいる場合は最低でも50%の価値は認めているので上記例では、3000万円-1500万円(減少分)=1500万円は支払われることになります。

 

 

地震保険から50%支払われる半損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の20%以上50%未満である損害、または焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上70%未満である損害

 

上記に該当した場合は、地震保険で契約されている保険金の50%が支払われることになります。地震保険に1500万円加入されている場合は750万円の支払いということになります。

 

地震保険から5%支払われる一部損

地震等により損害を受け、主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が、時価の3%以上20%未満である損害、または建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmをこえる浸水を受け損害が生じた場合で、全損・半損に至らないとき

 

上記に該当した場合は、契約されている地震保険金の5%が支払われることになります。

 

地震保険に1500万円加入されている場合は75万円の支払いということになります。

 

ところで、「家財」の場合の支払い基準はどうなっているのかご存知でしょうか?
建物の支払い基準とは異なっていますよ。

家財の地震保険について

※ 家財地震保険は、建物とは別に家財に地震保険をつける必要があります。

 

家財の地震保険の支払い基準は以下のようになっています。

 

家財全損・・・100%支払い

地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の80%以上である損害

 

家財半損・・・50%支払い

地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の30%以上80%未満である損害

 

家財一部損・・・5%支払い

地震等により損害を受け、損害額がその家財の時価の10%以上30%未満である損害

 

以上のように建物と家財の支払い基準が異なっているのがお分かりいただけたかと思います。

 

最後に・・・

地震保険料ですが、全国一律ではありませんよ。
地震保険料の安い県と高い県では3倍以上違っています。
例えば、耐火建物において保険金額1,000万円あたり保険期間1年につき、群馬県では6,500円ですが、千葉、東京、神奈川県では20,200円です。
非耐火建物では、群馬県では10,600円ですが、千葉、東京、神奈川県では32,600円となり全国でも一番高い地震保険料となっています。
32,600円の県は、他に静岡県、愛知県、三重県、和歌山県の7県となっています。
以上、地震保険金の支払いを長野県白馬村の建物被害から考えてみるについての記事でした.。

 

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