このページでは認定子ども園の概要説明と保育園や幼稚園との違いがどこにあり、どのようなメリットがあるのか、また幼稚園や保育所、認定こども園、地域型保育を利用するために必要な「支給認定区分」について解説します。
2015/12/21 10:26:21
認定こども園とは?
認定こども園とは、幼稚園と保育所の両方のメリットをもった施設になります。幼稚園は幼児教育を主とし、保育所は保育が目的ですので、この両方を一体的に行える施設になります。
認定こども園と幼稚園の違いについては、以下の動画4:56秒からをご覧ください。
認定こども園のメリットはどういう点なの?
- 保護者が働いているいないに関わらず、すべての子どもが利用できる
- 保護者が働かなくなってもそのまま継続して利用できる
- 認定こども園に通っていない子育て家庭でも子育てに対しての不安など相談できる場所としての機能がある
- 幼稚園と同様に1日4時間程度の利用や保育所と同様の8時間程度の利用など、柔軟に保育時間を選ぶことができる
※「保護者が働いているいないに関わらず、すべての子どもが利用できる」とされていますが、実際は支給認定区分を市区町村窓口に申請し「保育の必要性あり」と認可されないといけませんので、現実には誰でもとはいきません。
認定こども園に入園できる年齢について
認定こども園では0歳から5歳児までを対象としています。
認定こども園の種類について
認定こども園の種類には4つのタイプがありますのでご紹介します。
幼保連携型
認可幼稚園と認可保育所とが連携して一体的に行うタイプ
幼稚園型
認可幼稚園が保育時間を確保するなどの保育という機能を備えるようにして認可こども園としての役割を果たすタイプ
保育所型
認可保育所が幼稚園的な機能を備えるようににして認可こども園の役割を果たすタイプ
地方裁量型
幼稚園・保育所ともに認可のない地域において、幼児教育と保育をともにおこなうことで認可こども園としての役割を果たすタイプ
統計を見てみましょう
認定こども園は、平成26年4月1日現在の認定件数は、全国で1359件です。そのうち、公立が252件、私立が1107件という内訳になっています。
また、タイプ別では、幼保連携型720件、幼稚園型410件、保育所型189件、地方裁量型40件となっています。
次の項目では、認定こども園や幼稚園、保育所への入園等について関係してくる「支給認定区分」について解説しています。
認定こども園・保育園・幼稚園などの利用手続きに必要な支給認定区分とは
支給認定区分とは、平成27年4月からはじまった子ども•子育て支援制度により「子どもの年齢や保育の必要性に応じて、1号認定から3号認定まで3つの区分」をいいます。この区分により利用できる保育所等の施設や時間が変わってきます。
そのため幼稚園や保育所、認定こども園、地域型保育を利用する際には支給認定区分を受ける必要があります。
- 1号認定(教育標準時間認定)・・・満3歳以上の小学校就学前子どもで教育のみを希望する子ども:認定こども園(教育利用)、幼稚園
- 2号認定(保育認定)・・・満3歳以上の小学校就学前の子どもで保育を必要とする子ども:認定こども園(保育利用)、保育園
- 3号認定(保育認定)・・・満3歳未満の保育を必要とする子ども:認定こども園(保育利用)、保育園等
※中には新制度に移行しない幼稚園もあります。その場合には支給認定は不要です。
※幼稚園は1号認定のみとなり、3歳以上でないと選択できません。
2号・3号認定となる保育の必要性について
2号・3号認定には、保育を必要とする事由のいずれかに該当することが必要です。就労時間以外は各市区町村同じ事由になっているようです。以下は神戸市の例です。
- 就労(月64時間以上※)
- 妊娠、出産
- 保護者の疾病、障がい
- 親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動
- 就学など
就労時間については、神戸市では月64時間以上となっていますが、東京都台東区では、就労時間は月48時間以上となっていることからわかるように各自治体で異なっています。
また、2号、3号に認定されても以下のように保護者の就労時間によって保育時間数が違ってきます。各市区町村によって異なる場合がありますので、お住いの自治体にご確認ください。
- 保護者のいずれもが月 120 時間以上の就労の場合:保育標準時間の認定となり1日あたり最大11時間までの保育時間になります。
- 保護者のいずれも又はいずれかが月48時間以上120時間未満の就労の場合:保育標準時間の認定となり1日あたり最大8時間までの保育時間になります。
神戸市では子供の年齢と親の就労時間により以下のように区分認定しています。
子供の年齢が0歳~2歳の区分認定
こどもが0歳~2歳で、両親のどちらかが働いている場合は、認定申請ができません。未就園児のプレ保育や、保育所で行われている一時保育になります。
両親とも働いているまたは、シングルマザー(ひとり親)家庭において就労時間が月に64時間未満(市区町村によって異なる)であれば、上記同様に認定申請ができませので未就園児のプレ保育や、保育所で行われている一時保育になります。
両親とも働いているまたは シングルマザー(ひとり親家庭)で、月に64時間以上の就労時間(市区町村によって異なる)であれば支給認定区分は3号認定となり、保育所、認定こども園の朝~夕の利用、または地域型保育が利用できます。
子供の年齢が3歳~5歳の区分認定
こどもが3歳~5歳で、両親のどちらかが働いている場合は1号認定となり、幼稚園もしくは、認定こども園の朝~昼過ぎを利用できます。
こどもが3歳~5歳で両親とも働いているまたは シングルマザー(ひとり親家庭)で、月に64時間以上(市区町村によって異なる)の就労時間であれば支給認定区分は2号認定となり、保育所、認定こども園の朝~夕が利用できます。
認定こども園等への申込みはどうしたらいいの?
申込みについては、認定区分1号と2・3号では手続きが異なる市区町村と分け隔てなく市区町村の庁舎窓口に支給認定申請を提出するところがあります。
以下も神戸市の例です。
1号認定を受けて入園等を希望する場合
認定区分1号の幼稚園や認定こども園は、利用を希望する園で必要書類などをもらい受付をすませます。選考(抽選など)は各園で行います。
支給認定申請書も希望する施設に提出します。※新制度に移行しない幼稚園は、支給認定申請書の提出は必要ありません。
2号・3号の認定を受けて入園等を希望する場合
2・3号の認定については、支給認定申請書兼保育利用申込書や必要書類を市区町村の児童保育化等の窓口に提出します。2号(3号)に認定されれば認定証が交付されます。その後、所定の手続きを行って入園・入所ができます。※市区町村によっては認定を受けても、施設への入園については希望者多数で入園できない場合があります。
認定こども園の保育料のお値段はいくら?
保育料は、応能負担(おうのうふたん)といい、保護者の所得に応じた負担を基本として下記の表にあるように国が定める金額を上限として各市町村が設定します。
また、施設事業者は、一定要件のもとで、必要経費を市が定める額に加えることが可能となっています。
階層区分 | 保育料上限額 | |||
3歳以上 | 3歳未満 | |||
保育標準時間 | 保育短時間 | 保育標準時間 | 保育短時間 | |
生活保護世帯 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
市町村民税非課税世帯 | 6,000円 | 6,000円 | 9,000円 | 9,000円 |
所得割課税額48,600円未満 | 16,500円 | 16,300円 | 19,500円 | 19,300円 |
所得割課税額97,000円未満 | 27,000円 | 26,600円 | 30,000円 | 29,600円 |
所得割課税額169,000円未満 | 41,500円 | 40,900円 | 44,500円 | 43,900円 |
所得割課税額301,000円未満 | 58,000円 | 57,100円 | 61,000円 | 60,100円 |
所得割課税額397,000円未満 | 77,000円 | 75,800円 | 80,000円 | 78,800円 |
所得割課税額397,000円以上 | 101,000円 | 99,400円 | 104,000円 | 102,400円 |
※保育短時間利用は最長8時間になります。
※保育標準時間利用は最長11時間になります。
※所得区分は各市町村で異なります。
まとめ
認定こども園は、4つのタイプが存在し、対象年齢を0歳から5歳児までとし、幼稚園と保育所の両方のメリットをもった施設のことをいいます。
メリットとしては、保護者が働いているいないに関わらず、すべての子どもが利用できる点や保護者が働かなくなってもそのまま継続して利用できる点があげられます。ですが、実際には、支給認定区分により保育の必要性が認められないと認定されないため、誰でもとはいきません。
保育料については、応能負担(おうのうふたん)といい、保護者の所得に応じた負担を基本として国が定める金額を上限として各市町村が設定することになっています。