介護保険料に免除はあるのでしょうか?
そして保険料が安くなる減免はどんな内容になっているのかについて解説します。

 

以下に該当する場合は「介護保険料が免除」されます。免除というよりは、正しくは不要になる方です。

 

  • 海外居住者(日本国内に住所を有さない人)
  • 適用除外施設の入所者(身体障害者療養施設やハンセン病療養所など)
  • 短期滞在の外国人(在留資格1年未満の人)

※本人が海外勤務する場合でも40歳から64歳の家族が日本に居住する場合、保険料は免除(不要)されません。詳細は下記項目をご覧ください。

 

それ以外の方については免除はありませんが、減免や軽減制度は整備されています。

 

減免は、災害や失業等により保険料の納付が困難であるとき一定の基準を満たせば保険料が軽減されるものです。

 

この制度は保険料の軽減であって保険料は免除されません。

 

制度は条例で定められているため市町村ごとに異なっています。
また、第1号被保険者である65歳以上と第2号被保険者の40歳以上65歳未満では異なっています。

 

2018/12/28 10:42:28

介護保険第1号(65歳以上)被保険者の減免

65歳以上の第1号被保険者の方は条例によりますので市町村によって異なりますが、下記のような理由により保険料の納付が難しい人を対象に、保険料の徴収猶予や減免があります。

 

必ず申請が必要です。

 

  1. 災害により住宅等に著しい損害を受けた場合
  2. 世帯の生計を主として維持する人が失業(倒産、解雇、雇い止め)等により、収入が著しく減少した場合
  3. 生活が著しく苦しい場合

上記3の「生活が著しく苦しい場合」に該当するには、以下の条件を満たしている必要があります。(市町村によって要件は違います)

 

1、世帯全員の前年の年間収入合計額が次の額以下

  • 単身世帯:120万円
  • 2人世帯:160万円
  • 3人世帯:210万円
  • 4人世帯:260万円

 

2、世帯全員の預貯金の合計額が350万円以下である。
3、世帯全員が居住用もしくは事業用以外の不動産を所有していない
4、別世帯の市町村民税課税者に扶養されていない

 

40歳以上64歳の方で国民健康保険加入者の方は、市町村によって異なりますが、第2号被保険者(40歳以上64歳)の介護保険料分は国民健康保険料(税)と一緒に徴収されています。

 

ですので、軽減制度に該当する場合は医療分や後期高齢者負担分などの均等割額、平等割額なども一緒に軽減されます。

 

所得による介護保険料の軽減制度

市町村の条例ではなく、国民健康保険法施行令により「軽減」という制度があります。
前年の総所得により定められた世帯の軽減基準額を超えない世帯は保険料が軽減されるものです。

 

軽減するにあたって申請の必要はありませんが、所得未申告の世帯においては軽減が適用されませんので、必ず申告が必要になります。

 

7割軽減:世帯の中で国保に加入している方全員(擬制世帯主を含む)の総所得金額等が33万円以下
擬似世帯とは、世帯主が国民健康保険の被保険者でない場合をいいます。

 

5割軽減:世帯の中で国保に加入している方全員(擬制世帯主を含む)の総所得金額等から、国保加入者数に24万5千円をかけた金額を引いた額が33万円以下

 

2割軽減:世帯の中で国保に加入している方全員(擬制世帯主を含む)の総所得金額等から、国保加入者数に45万円をかけた金額を引いた額が33万円以下

 

介護保険料の免除ではありませんが不要になる例

健康保険の被保険者や国民健康保険の被保険者は以下に該当する場合には、40歳以上の方でも介護保険の被保険者に該当しないため保険料を納める必要がありません。

 

健康保険加入者が出張により海外に居住する場合

住民票を抜き日本国内に住所がなくなる場合は、介護保険は海外で使えないため不要になります。
国民健康保険の被保険者は脱退することになります。

 

ただし、健康保険組合の規約によりますが、本人が海外勤務する場合でも40歳から64歳の家族(健康保険被扶養者)が日本に居住する場合には特定被保険者となり保険料は免除されません。つまり、健康保険組合の規約で定められていれば、被保険者本人が40歳未満であっても、被扶養者である家族が40歳以上65歳未満の場合には介護保険料が天引きされるということになります。

 

適用除外施設の入所者

指定障害者支援施設・障害者支援施設 、重症心身障害児施設、国立療養所(重症心身障害児(者)病棟または進行性筋萎縮症児(者)病棟に限る)、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設、ハンセン病療養所、生活保護法に規定する救護施設、労災特別介護施設、障害者自立支援法による療養介護を行う病院、身体障害者更生援護施設(従前の身体障害者療護施設に限る)

 

短期滞在の外国人(在留資格1年未満の人)