このページは、母子家庭に関係する「母子支援施設」について解説します。
2015/06/28 15:26:28
母子生活支援施設とは?
母子支援施設とは、児童福祉法38条に基づいてつくられた施設で、何らかの事情によりこどもの養育が困難な母子家庭のお母さんと18歳未満のこどもが一緒に入所し、施設職員とともに自立を目指す施設をいいます。
入所者は、未婚や離婚・死別などの配偶者のない女性の他に、DV、児童虐待、夫からの遺棄、夫の行方不明・拘置などにより、夫婦が一緒に住むことができない事情にある女子で、養育すべき児童を有している世帯です。
施設の数
平成24年の調査では、全国で活動中の施設は251となっています。(出典:厚生労働省:平成24年社会福祉施設等調査の概況より)統計を見ると年々施設数は減少しています。統計についてはこちらのサイトが分かりやすいです。
母子生活支援施設の概要
母子支援施設の職員配置基準は以下のようになっています。
必ず配置する職員
職種 |
人数等 |
---|---|
施設長 | 1人 |
母子支援員 |
~9世帯まで1人以上 |
嘱託医 | 1人 |
少年指導員 |
~19世帯まで1人以上 |
保育士 |
保育施設のある施設については30人につき保育士1人 |
調理員等 | 1人 |
母子支援の基本時支援事項について
母親と子どもそれぞれの個別の課題に対して、以下のような専門的支援を行います。
- 母親と子どもがそれぞれ抱える個別の課題に対して、目的や目標を明確にした合理的で計画的な一貫した専門的支援
- 母親と子どもの課題を正しく理解し、できる限り、親子、家庭のあり方を重視した支援
- 母親と子どもが、自己の意思で課題を解決できるように個々の気持ちに寄り添った支援
- 資料等を使いながら、必要な手続きをわかりやすく説明し、必要に応じて職員が機関等への同行及び代弁をします
母親への日常生活支援
母親が、安定した家庭生活を営むために必要な支援を行います。
母親の子育てのニーズに対応するとともに、子どもとの適切なかかわりができるように支援します。
- 安定した生活に必要な基本的な生活習慣の維持や獲得に向けて衣食住の生活スキルの向上への支援
母親の育児に関する不安や悩み等の相談やアドバイス
- 子どもの保育所・学校等への送迎の支援
- 母親が病気の時には、母親の看病や子どもの保育等の支援
- 対人関係にストレスを生じている場合は、
- そのストレスの軽減が図られるよう、相談に応じる支援
子どもへの支援
子どもの成長段階、発達段階に応じた養育支援を行います。
- 保育、保育所に入所できない子どもの保育や早朝・夜間・休日等の保育、子どもの病気・けが等の際の保育、母親が体調
- の悪いときの保育等、ニーズに応じた様々な施設内での保育支援
学習や進路、悩み等への相談支援
- 安心して学校に通えるように、宿題、支度等の学校生活に関する支援
- 進学や就職など、子どもの意向を尊重した進路への支援
人との関係づくりについて支援
- おとなとの信頼関係が構築できるよう支援
- ボランティアや実習生など、様々なおとなとの出会いの機会を設ける
- 協調性や社会性が身につくよう、集団活動やレクリエーション活動などのグループワークを積極的に取り入れる
DV被害からの回避・回復を支援
母親と子どもの緊急利用に適切に対応する体制を整備しています。
- 24時間の受け入れや広域利用など、広く母親と子どもの緊急利用を受け入れています
- DV防止法に基づく一時保護委託の依頼の場合は、速やかに受け入れを行い、安心で安定した生活が営めるように体制を整える
- 役割分担と責任の所在を明確にし、配偶者暴力相談支援センター・警察署・福祉事務所等との連絡調整体制を整える
- 被害者が施設で生活していることをDV加害者に知られないように配慮を徹底する
- 心理療法を活用し、医師やカウンセラーと情報交換を行いながら、より適切な支援を行います
施設の料金について
生活保護世帯・住民税非課税世帯については、本人負担額はありませんが、入所者の所得に応じて、本人負担が発生します。
それ以外に、居室内の光熱水費(電気・ガス・水道代)は、各自の負担となります。
入所するには
入所するには、現在居住している市区町村の福祉事務所や福祉サービス課または直接施設へご相談ください。
入所期間について
入所期間は自立目標を2年以内としていますので、2年間になります。
それ以降の期間については、1年ごとに施設長が入所者の意見を聴取するとともに期間についての目標を定めています。
※施設によって異なる場合があります。
母子支援施設のある場所
東京都については以下の外部サイトが参考になります。
東京福祉ナビゲーション
埼玉県にある母子生活支援施設名簿はこちら
まとめ
母子支援施設とは、全国に約250施設ほどあり、児童福祉法38条に基づいてつくられた施設です。何らかの事情によりこどもの養育が困難な母子家庭のお母さんと18歳未満のこどもが一緒に入所し、施設職員とともに自立を目指す施設です。
入所者は、未婚や離婚・死別などの配偶者のない女性の他に、DV、児童虐待、夫からの遺棄、夫の行方不明・拘置などにより、夫婦が一緒に住むことができない事情にある女子で、養育すべき児童を有している世帯になります。
近年はDVによる原因での入所者が増加しています。
以上、「母子支援施設とはどうのような施設ですか?」についての解説でした。
その他、「母子家庭の手当てや支援についての総まとめ」はこちらのページをご覧ください。
児童扶養手当の詳細はこちらのページをご覧ください。