母子家庭(シングルマザー)は子育てと仕事を両立させるのはたいへんですが、働かなければ収入も入ってきません。でも、どうやって仕事を探すのがいいのか?ということでいろいろな情報解説をします。企業のウラ情報ではありませんよ。(笑い)
2015/06/09 09:43:09
シングルマザーが仕事を探すための情報
自宅のPCやスマホのネットで「求人情報」と検索すれば無数に民間の会社が掲載している求人広告サイトがズラズラと出てきます。あまりにもたくさんあってどこの求人サイトを選択すればいいのか迷ってしまいます。
そこで、まずは民間の求人サイトについて学びましょう。
求人サイトとは
求人サイトには大きく分けると2つのタイプになります。それらのタイプと概要を説明します。
- ひとつ目は、一般的な求人情報サイトになります。こちらは、新聞の折込やフロム・エーやタウンワークなどの情報誌を普段目にすることも多いと思います。それの紙面をネット版にしたものといえば理解しやすいでしょうか。
- 2つ目は、こちらのような「転職エージェント」のホームページです。企業が紹介された人を採用した場合に報酬を得ることができるのが転職エージェントです。有料職業紹介事業所ともいいます
では、それぞれについてご説明します。
通常の求人情報サイトについて
多くの求人情報サイトは、企業から広告料をいただいて求人情報を掲載しています。ただそれだけではなく、他にも成功報酬型というタイプの広告もあるのです。
①先払いの広告タイプ
こちらの先に広告料を出すタイプは、企業側にしてみれば求人の応募があってもなくても広告料は発生します。
ですから、企業側としてみれば応募者がありながらひとりも採用しないとなると、「広告料がまる損」という気持ちが多少なりとも働きます。
たとえば、5人採用予定のため広告費を50万円を費やしたとします。5人採用すれば1人あたり広告費10万円で採用したことになりますが、2人ならひとりあたり25万円費やしたことになります。
まったく応募や採用がなければ50万円は無駄になり、もったいないとなります。そういう心理が働き、どちらかというと採用ハードルは低くなります。
応募者から見れば採用されやすいということになります。
②成功報酬型の広告タイプ
もうひとつの、広告の掲載は無料だが、その広告を見た人が応募して、企業が採用したら料金をいただくという成功報酬型。
こちらは、先ほどの①の広告料を支払うタイプに比べて採用しない限り広告料金の発生はないわけです。ですから採用については当然厳し目になります。今回だめでも次回に期待しようという心理が働くからです。
①と②とは、絶対ではありませんがこのような違いがあります。応募する側から見れば①のほうがいいわけですが、広告を見てもどちらのタイプかは残念ながらわかりません。ですが、「成功報酬型 求人」というキーワードで検索するといろいろと情報を得ることはできます。
以上、求人情報サイトにはこういうウラ事情もあるということも覚えおいて損はないと思います。
次にこちらのような「転職エージェント」のサイトについてです。
転職エージェントとは
転職エージェントとは、企業と転職を希望する方のマッチングをするのが仕事です。
このマッチングができてこそ企業から報酬が得られます。驚くことに報酬はあなたの年収の約20~30%も得られるのです。
年収500万円なら100万円~150万円、年収1000万円なら200万円~300万円にもなります。このような理由で、あなたが転職できるように無料でサポートしてくれるわけです。
もちろん、企業だって採用したからといってすぐに辞めてしまっては元がとれません。ですから半年とか1年経過してとかの縛りはあります。
転職エージェントのサイト
転職エージェントのウエブサイトも求人情報サイトではあります。ですが、通常の求人情報サイトは、応募者は直接企業とやりとりをするのに対して、転職エージェントの場合はあいだにエージェントが入るという違いがあります。いわば、あなたと企業との仲人みたいな存在になります。
主な転職サービスのサイト
マイナビ
アイデムスマートエージェント
IT・インターネット専門の転職エージェント・ワークポート
看護師向け無料転職サポート・求人紹介のメドフィット
typeの人材紹介
というようなことで、企業としては、採用することによって、多額のコストが発生するわけです。
ですから、採用にあたっては厳しくはなります。この点はデメリットになります。
転職者にとってのメリット
- 転職お祝い金を支給してくれるところもある
- 転職に関する相談ができる
- プロの視点から転職に関するアドバイスがもらえる
- 希望の条件を伝えるだけで求人を探してくれる
- 広告には出ない非公開求人の紹介
- 履歴書の作成アドバイス
などがあります。
以上のように、民間の求人サイトは、主にふたつのタイプが存在しているということです。
ハローワークの求人情報サイト
次に公的な求人情報サイトであります、ハローワークの求人情報サイトのご紹介です。
ハローワークの求人情報は登録しなくてもこちらからインターネットからも見ることができます。
民間情報サイトとどこが違うのか
ハローワークの求人情報は、2015年06月09日の時点で登録されている求人は90万件あります。
ひとつのサイトにこれだけの求人情報数は民間にはありません。
また、仕組みも違っています。まず、企業にとっては、ハローワークへの求人情報登録は無料という点です。
それと、ハローワークからの応募で採用したとしても民間求人情報サイトの成功報酬型広告とは違って、ハローワークにお金を支払う必要もありません。
それどころかハローワークからの応募を採用すると企業はお金がもらえるのです。もちろん誰を採用してももらえるわけではではありません。安定した職業に就いていない、母子家庭のシングルマザーや父子家庭の父、生活保護受給者を採用するともらえる「トライアル雇用奨励金」というのがあります。
トライアル雇用とは、その企業で3ヶ月間試行雇用として働いていみる制度をいいます。トライアル雇用が終わったあとは、約8割の方が常用雇用に移行しているという統計もあります。
トライアル雇用の応募要件
以下の要件を満たす必要があります。
- 就労経験のない職業に就くことを希望する
- 学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業※1に就いていない
- 過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
- 離職している期間が1年を超えている
- 妊娠、出産・育児を理由に離職し、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
応募者であるシングルマザーにとってのメリット
企業にとっては奨励金がもらえるというメリットの他に採用した方の仕事の遂行能力が判断できる点がありますが、応募者にとってのメリットとは以下のものになります。
- 就労経験がない仕事でもトライアルなので試すことができる
- 3ヶ月間あるので会社の雰囲気や仕事内容が自分に向いているかかどうか把握できる
企業は雇用奨励金をいくらもらえるのか
トライアル雇用奨励金の支給額は、支給対象者1人につき月額4万円です。
ただし、対象者が母子家庭の母等又は父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円になります。
これが3ヶ月分支払われます。
このようにハローワークからトライアル雇用で応募した母子家庭のシングルマザーや父子家庭の父などの方を採用すると企業は広告費は支払うどころか、反対に奨励金がもらえるということです。これは大きな違いです。
ということで、トライアル雇用に応募できる方とできない方を比べますと、トライアル雇用に応募してくる方の採用は奨励金がもらえるので、トライアル雇用に該当しない方よりも採用されやすいということにつながるのではと個人的には思っています。
ハローワークの求人情報サイト
さて、ハローワークの求人情報サイトに話を戻します。
こちらのサイトにいくと、下の画像にあるように「求人情報検索」という青いボタンがありますので、そこから検索画面に移ることができます。
ただし、インターネットで見れると言っても、ハローワークに求職登録されていない場合は簡易情報なのです。ですから事業所名、所在地、電話番号は掲載されていません。全部を見たい場合は最寄りのハローワークに出向いて、求人申込みをする必要がでてきます。
なので、結局はハローワークにいかなけばならないのですが、母子家庭(シングルマザー)には小さな子どもがいるから難しいという問題も出てくると思います。そのような方のために子どもを連れていっても大丈夫な「マザーズハローワーク」というのもありますのでご紹介します。
マザーズハローワークとは
マザーズハローワークとは、母子家庭のための就職支援拠点のことをいいます。
館内にオムツ交換や授乳できるスペースがあり、また「おもちゃ」や絵本が置いてあるので子どもを遊ばせながら求人検索や仕事の相談ができます。気軽に子供連れで無料で職探しや相談ができるというハローワークです。
平成26年9月現在、マザーズハローワークは、全国に20ヶ所あり、マザーズコーナーは全国に160ヶ所あります。このようなマザーズハローワークがありますから利用するものひとつの手です。
全国にあるマザーズハローワークはこちらのPDFでご覧いただけます。
ハローワークと民間職業紹介の違い
ハローワークと民間有料職業紹介(転職エージェント)の違いは以下のようになっています。ちなみに有料職業紹介事業所といっても求人応募者がお金を支払うわけではありません。
比較項目 | ハローワーク | 有料職業紹介事業所 |
---|---|---|
設置数 | 全国約430ヶ所 | 16,900ヶ所 |
新規求職者数 | 約664万人 | 約474万人 |
新規求人数 | 約795万人 | 約273万人 |
主な利用者 |
離職者が中心(在職者2割) |
在職者が中心(約6割) |
就職経路の割合 | ハローワーク経由 20.8% | 民間職業紹介事業者経由 2.6% |
多くの離職者の方がハローワークを利用しているということです。
母子家庭(シングルマザー)の仕事探し情報のまとめ
仕事を探す方法は世の中なんぼでもありますが、インターネットで探すとなると、「求人情報」で検索される方が多いと思います。
求人情サイトには、民間の求人情報サイトと公的機関のハローワークサイトなどがあります。また、民間求人情報サイトには、一般的な求人情報サイトと転職エージェントサイトの2つがあります。
民間求人サイトにしろ、ハローワークにしてもどちらが採用されやすいといった違いはありませんが、ハローワークには国が制度化したトライアル雇用という制度があります。
これを利用することで採用に有利に働くことは間違いないと思います。利用できる母子家庭の方は試してみるのもいいと思います。もちろん3ヶ月後に本採用するかどうかは仕事ぶりでの判断となります。
最後に・・・
採用する側である企業側からの視点で裏側を知ることでちょっとは視界が広がりませんでしたか。
以上、母子家庭(シングルマザー)の仕事探しのための求人のウラ事情でした。
母子家庭の手当など全般についての情報はこちらの母子家庭の手当とシングルマザーへの支援など総まとめをご覧ください。
また、シングルマザーの再婚(結婚)とそれに伴う社会保険等の手続きという記事もありますのでよろしければご覧ください。