どうして住宅ローン審査が通らないの?
このページは、「住宅ローンの審査が通らない理由」、「転職したての審査基準はどうなっているのか」「年金収入だけでも借換はできるの?」などについて解説します。
2015/06/07 15:08:07
住宅ローンの審査がとおらない。仮審査が大丈夫だったのに本審査で落ちることはよくあります。
それまで、どこの銀行の住宅ローンがいいのか、かなりの時間を使って調べている人にとっては、ショックが大きいと思います。
金利や諸費用を気にしても、審査に通らないことにはどうしようもありません。
借換をされる方は、一度住宅ローンの借入れができたのだから、今回の借入もすんなりと審査が通るだろうなんて思いがちです。
ところが、借換えというのは、新たに住宅ローンを融資する銀行にとっては「新規融資」になるわけですから、慎重に進めるべきです。以下は住宅ローン審査が通らない理由の主なものを掲載しています。借換えの方の理由も含めています。
- サラリーマンから自営業者になった(審査はかなり厳しいです)
- 年収が減ってしまった(返済負担率との関係が出てくる)
- 車のローンを始めた(返済負担率との関係が出てくる)
- 太陽光発電をローンで契約した(返済負担率との関係が出てくる)
- キャッシングをしている、もしくは数年前までしていて返済が滞った
- カード払いでリボ払いや分割払いをしていて引落し不能になったことある
- うっかり口座に入金し忘れ住宅ローンの引落としができなかった(1年間借換は無理)
- 携帯電話代を何回か引落しできなかった
どれもローン借入にあたっての「返済負担率」や「信用情報でのマイナスポイント」に関係しています。
返済負担率とは、借入金返済額の収入に占める割合です。この割合がフラット35においては年収400万円未満では30%以下、年収400万円以上は35%以下となっています。
信用情報についてはこの後の項目で解説しています。
いずれにしても銀行が融資をするかどうかは、ほとんどの銀行で「保証会社」の審査次第になっていますから、そこが大事な点になります。
保障会社は、借り入れた方が、住宅ローンの返済ができなくなったときに、代わりに銀行に対して住宅ローンの残額を一括返済する会社です。その後は、保障会社が借り入れた方に一括返済を求めてきます。
次に上記項目以外で気になるのが転職したばかりの場合です。
こちらも各銀行によって取扱いが異なっていますので下記をご覧ください。
転職をしたばかりの人の審査はどうなっている?
転職の審査は比較的ゆるくなってきました。もちろん転職したばかりはダメという銀行もありますが、OKという銀行もあります。3ヶ月経過していればOKという銀行、転職したばかりでも同じ職種なら前職からの勤続年数も考慮するという銀行もあります。銀行それぞれで違っています。以下の銀行解答例をご覧ください。
新生銀行
申込み可能(転職履歴を明記する)
住信SBIネット銀行
申込日時点で転職後3ヵ月が経過し、下記の書類をご提出いただける場合はご利用可能です。
昨年または今年転職をされたかたは、正式審査申込みにあたり、所得証明関係書類に記載している書類のほかに、以下の(1)および(2)の書類をご提出ください。
- (1) 転職時に新勤務先の人事部等から提示された雇用契約書、採用通知書、あるいは年収見込証明書等、収入金額記載の書類の写し
- (2) 転職後の給与明細(直近3ヵ月分)・賞与明細(支給が無い場合は不要)の写し
ソニー銀行
ソニー銀行の住宅ローンでは、「勤続(営業)年数」による申し込み条件は設けていません。
ただし、昨年または今年転職をされたかたは、本審査申し込みにあたり、以下の書類(詳細は仮審査後にご案内いたします)をご提出いただきます。
- 転職時に新勤務先の人事部などから提示された雇用契約書、採用通知書、あるいは本年度の年収見込証明書等、収入金額記載の書類
- 転職後の給与明細・賞与明細(支給がない場合は不要)
三井住友銀行
お申し込みは可能です。ただし、住宅ローンのお申し込みの際、必要書類のご提出とあわせて、転職された経緯や再就職後の収支計画など詳細をお伺いする場合もあります。
JA住宅ローン
公式サイトに転職についての記載はありませんが、勤続年数については以下のような掲載されています。勤続年数3年以上。
次に年金生活が中心になった場合の借換について見てみましょう。
年金生活者でも借換えはできるのか
年金生活でも仕事をして収入がある方もいます。ただし、年金は「収入とみなさい」銀行が多いのです。年金生活者においての各銀行の取り扱いです。
住信SBIネット銀行
年金収入のみのかた(無職のかた)はご利用いただけません。
給与所得もしくは事業所得に加えて年金収入があるかたはご利用いただけます。
ただし、年金収入は当社の審査上年収には含まれませんのであらかじめご了承ください。
ソニー銀行
アルバイト収入や年金収入では、ご利用いただけません。
イオン銀行
ご収入が年金のみである場合は、お申し込みいただけません。
ただし、年金以外に安定かつ継続した収入(給与収入・事業所得)があり、その年間の収入(所得)額が100万円以上である場合は、返済計画を具体的にご提示いただいたうえでお申し込みいただくことは可能です。
※給与収入のある方は勤続6ヶ月以上、会社経営者の方や事業所得のある方は事業開始後3年を経過していることが必要です。
信用情報とは
銀行や保証会社は審査にあたり、あなたの収入や職業だけで審査をしているのではなく、必ず信用情報を確認しています。
信用情報とは、以下のものになります。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 電話番号
- 住所
- 勤務先
- 勤務先電話番号
- 運転免許証やパスポート、健康保険証などクレジット会社に提示した公的書類の番号
- クレジットの契約
- 商品などを分割払いで支払う契約
- リース契約
- 保証契約
- 無保証融資
- 保証融資
- 住宅ローン
- 移管債権
- キャッシング極度額
- 返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延(延滞)があるものまたはあったもの
- 返済ができなくなり保証契約における保証履行が行われたもの
- 裁判所が破産を宣告したもの(破産手続開始の決定がされたもの)
- お客様に代わって保証会社が支払った金額
- 本人以外からの弁済額
- クレジット会社等が貸倒れとして処理したもの
- 支払免除が法的に認められたもの(破産など)
- 割賦販売法のある契約
- 割賦契約の支払遅延有無
- 消費者金融などの契約
- クレジットカードの支払い遅延情報
- クレジット返済の数年間の入金状況
- 請求どおり(もしくは請求額以上)の入金があった
- 請求額の一部が入金された
- お客様以外から入金があった
- お客様の事情でお約束の日に入金がなかった(未入金)
- お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった
- 入金されていないが、その原因がわからない
これらを信用情報機関から取り寄せて審査をおこなうのです。
ですから、信用情報について多少なりとも不安があるようでしたら、住宅ローンを申し込む前に自分でも取り寄せて確認しておくことで対策ができます。
信用情報の確認をする方法
下記のいずれかで信用情報を確認することができます。
郵送での申し込みやネットから申し込んでパソコン上で確認や携帯で確認する場合の費用は1000円です。窓口での開示の費用は500円になります。
これらには、先ほど掲げたあなたのクレジットやローンの契約や申し込みに関する情報、客観的な取引事実を登録した個人の経済的な信用を表す情報があるはずです。
確認してみてこれらの信用情報に問題がなければ、年収や返済負担率に気をつければ問題なく住宅ローン融資が受けられるはずです。信用情報の詳細についてはこちらの記事もご覧ください。
最後に借換ができなかった事例を掲載しました。
借換ができなかったという事例
住宅ローンを借り入れた時の収入は800万円。
ところが会社の業績が悪化したこともあり、今は年収が600万円。
そこで住宅ローンを借り換えることにより支出は抑えられると思いAさんは借換を決断。
ところが、結果はNG。
断られた原因は、この方は、年収が下がったことにより、3年前に太陽光発電をローンで組んで取り付けてしまっていたため、返済負担率がオーバーしたためと考えられます。
対策としては、預貯金で太陽光ローンの返済する。収入合算をするなどがありますが、Aさんは、それもできなかったためお手上げでした。
住宅ローン審査基準のまとめ
住宅ローンの融資を受けるには審査基準をパスしなければなりません。この審査基準を知っていれば不用意な行動をつつしむので住宅ローンを借入れるのに役立ちます。
たとえば、サラリーマンだった方がやめてから住宅ローンを申込むのと、退職する前で申込むのでは、まったく違った結果になることは明白です。こういうことを知らなければ自営業になってから住宅ローンを申込むなんてことをしてしまうという誤りをおかしてしまいます。
また、車をローンで購入するときも、住宅ローンを申し込んですべて終わってから車ローンを組むのと、反対に車をローンで購入してからでは返済負担率が変わってくるので、住宅ローン審査がダメになる場合もありえます。
住宅ローンの審査は職業や収入だけでなく、ローンの有無、返済履歴等まで関係してきますので、住宅ローン融資を受ける希望があるのでしたら審査基準を知り、問題点があるのならあらかじめ対処しておくことで、よりスムーズに審査がおりやすくなります。もちろん年月をかけないと解消できない改善点も当然あります。
最後に・・・
住宅ローンの審査がOKだとしても、保険会社から団体信用生命保険の診査がOKにならないと融資は受けられません。
そこで、団体信用生命保険に加入条件についての記事がありますのでこちらをご覧ください。