こんにちは、FPのHamaです。今回は介護保険についての記事です。
一般的には、介護保険といえば公的介護保険を思い浮かべますが、生命保険会社が販売している介護保険もあります。こちらは、区別として正式な名称はありませんが、「民間介護保険」と呼ばれています。
公的介護保険は、40歳以上の方が要支援や要介護認定されれば介護保険を利用して1割、または2割の自己負担分で介護サービスを受けることができます。
しかしながら、いずれの要介護度であっても利用限度がありますので、それを超えてサービスを受ける場合には全額自己負担になります。そこで、その不足分を補う目的等として生命保険会社が販売しているのが民間介護保険になります。以下、民間介護保険の種類や選択7ポイントについて解説しています。
2018/12/21 11:56:21
1、介護保険の保障期間
介護保険の保障期間には終身型と定期型のタイプがあります。
終身型は、介護保障が一生涯続くタイプです。定期タイプは、70歳、75歳、80歳などまで介護保障があるタイプになります。
主流は、終身タイプのほうです。
上記の図には、「保険料払込期間完了」となっていますが、他に「終身払い」のタイプもあります。
2、介護保険金の受取方式
公的介護保険では、介護サービスでかかった費用の1割、または2割を自己負担するとなっていますが、介護保険では、介護サービスを利用せずとも保険会社から保険金を受取ることができます。
それでは、どのような形で介護保険金を受取るのでしょうか。
受取る方式としては、一時金で受取るタイプと年金タイプがあります。
はじめから商品ごとにタイプが決まっていますから、どちらの商品を選択するかがポイントです。
一時金タイプは保険金を受取った時点で契約が消滅してしまう点がありますので、介護年金を生涯受取れる年金タイプに比べて保険料はお安くなります。(解約返戻金なしや死亡保障なし同士で比較した場合)
また、年金タイプには、1回のみ一時金を受取り、その後は年金形式で受取るタイプ。他に「介護一時金特約」が付加できるタイプもあります。
《一時金タイプに該当する商品》
- 東京海上日動あんしん生命「長生き支援終身」
- 朝日生命「あんしん介護 一時金タイプ」
- ジブラルタ生命「介護保障付終身保険」
- アクサ生命「介護終身保険」
一時金タイプは、300万円や500万円など比較的まとまった介護保険金が受取れます。
《年金タイプに該当する商品》
年金タイプは、終身型であれば、所定の要介護状態が続く限り、一生涯に渡って介護年金を受取ることができます。一部例外あり。
- 朝日生命「あんしん介護 年金タイプ」
- ソニー生命「終身介護保障保険」
- 明治安田生命「介護のささえ」
年金タイプは、年間50万円や100万円、あるいは毎月数万円など小口で受取っていくタイプです。
《1回のみ一時金が支払われその後は介護年金タイプの商品》
- アフラック「スーパー介護年金プランVタイプ」(介護年金の受取は10年間です)
- メットライフ「ロングタームケア」
《介護一時金特約が付加できる+介護年金タイプ商品》
- ソニー生命「終身介護保障保険」
- 明治安田生命「介護のささえ」
3、給付条件には3つのタイプがあります
介護保険の給付条件には3つのタイプがあります。給付条件とは、どのような基準で要介護状態と判定しているのかという点です。
- 公的介護保険と連動
- 生命保険会社独自の基準
- 公的連動+生命保険会社独自基準
以下の公的介護保険と連動している商品は、生命保険会社の独自基準も採用しています。この場合、どちらかに該当した場合に介護保険金は支払われます。
《公的介護保険に連動している商品》
- ソニー生命「終身介護保障保険」
- 明治安田生命「介護のささえ」
- 東京海上日動あんしん生命「長生き支援終身」
- ジブラルタ生命「介護保障付終身保険」
《生命保険会社独自基準の商品》
- アフラック「スーパー介護年金プランVタイプ」
- メットライフ「ロングタームケア」
- アクサ生命「介護終身保険」
介護保険金の支払いが公的介護に連動している商品の要介護度の比較
公的介護保険のどの要介護度以上なら介護保険金が支払われるのかも大事なポイントです。
要介護2以上 |
要介護3以上 |
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ソニー生命・終身介護保障保険 | 朝日生命・あんしん介護※ |
ジブラルタ生命・介護保障付終身保険 | 明治安田生命・介護のささえ |
東京海上日動あんしん生命・長生き支援終身 |
※ 朝日生命のあんしん介護は、要介護1以上で保険料払込が免除になります。
要介護度の目安
出典:(公財)生命保険文化センター2016年10月改訂「介護保障ガイド」
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公的介護保険における要介護度別の身体状態のめやす(例) |
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要介護2 |
食事や排泄に何らかの介助を必要とすることがある。立ち上がりや片足での立位保持、歩行などに何らかの支えが必要。衣服の着脱は何とかできる。物忘れや直前の行動の理解の一部に低下がみられることがある。 |
要介護3 |
食事や排泄に一部介助が必要。立ち上がりや片足での立位保持などがひとりでできない。入浴や衣服の着脱などに全面的な介助が必要。いくつかの問題行動や理解の低下がみられることがある。 |
要介護4 |
食事にときどき介助が必要で、排泄、入浴、衣服の着脱には全面的な介助が必要。立ち上がりや両足での立位保持がひとりではほとんどできない。多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。 |
要介護5 |
食事や排泄がひとりでできないなど、日常生活を遂行する能力は著しく低下している。歩行や両足での立位保持はほとんどできない。意思の伝達がほとんどできない場合が多い。 |
4、掛け捨てタイプと解約返戻金のあるタイプ
掛捨てタイプと解約返戻金のあるタイプがあります。
《掛捨てタイプ》
- ソニー生命・低解約返戻金型終身介護保障保険 終身払い
- 朝日生命・あんしん介護 返戻金なし型
《解約返戻金のあるタイプ》
- ソニー生命・5年ごと利差配当付終身介護保障保険
- 東京海上日動あんしん生命・長生き支援終身
- メットライフ「ロングタームケア」
- アフラック「スーパー介護年金プランVタイプ」
- 明治安田・あんしん介護
- アクサ生命「介護終身保険」
- ジブラルタ生命・介護保障付終身保険
5、介護保障に加え死亡保障もある商品もあります
介護保障に加えて死亡保障・高度障害保障も必要なら以下の商品です。
- 東京海上日動あんしん生命・長生き支援終身
- アクサ生命「介護終身保険」
- ジブラルタ生命・介護保障付終身保険
- 明治安田生命・介護のささえ5倍型
- メットライフ「ロングタームケア」
介護保障に加え死亡保障のある商品は、要介護状態にならなくても死亡保障が終身継続しますので、その安心感はあります。その分、保険料は高くなります。
6、保険料の支払方式は2種類
保険料は、月払いや年払いなどと一時払いの支払方法があります。
お得度からいけば一時払いになりますが、月払いなどは、所定の要介護認定された時点で以後の保険料は不要になる点にメリットがあります。
7、終身介護保険のタイプは2種類
終身介護保険の月払いや年払いは、一定の年齢で払込完了となるものと、終身払いといって、生涯支払っていくタイプがあります。
一定の年齢で払込完了となるタイプとは、60歳、65歳などで保険料払い込みが完了します。その後は介護保障が生涯継続されるタイプです。
まとめ
介護保険を選択するにあたってのポイントは主に7つ。
- 保障期間は終身型と定期型があります
- 介護保険金の受取方式には2つあります
- 給付条件には3つのタイプがあります
- 保険料は掛け捨てタイプと解約返戻金のあるタイプがあります
- 介護保障に加え死亡保障もある商品もあります
- 保険料の支払方式は2種類
- 終身介護保険のタイプは2種類
以上、「民間介護保険を契約する前にこの7つのポイントを確認しておこう」でした。