このページでは、対人賠償保険とはどのような保険で、支払われないケースとはどういうときで、過失割合とはどういうものかについて解説します。
2015/05/29 21:31:29
対人賠償保険について
対人賠償保険とは、相手の車に搭乗中の方や歩行者など、他人を死亡や後遺障害、あるいはケガをさせてしまった場合で損害賠償責任を負ったときに損害を補償する保険です。あくまでも他人に対してのものになります。
詳しくは、後述していますが、相手のいる事故を起こした場合に、相手側から見るとあなたが対人賠償の対象者となります。その場合、人身事故だからといって、どんなケースでもあなたに相手側から全額支払われるというわけではありません。あなたにも過失がある場合には、その分が差し引かれてしまうからです。
また自賠責保険の範囲内での損害賠償額の場合は、対人賠償からの支払いはありません。自賠責保険での傷害の補償額限度は120万円、後遺障害は4,000万円、死亡は3,000万円が限度となっています。
過失割合とは、交通事故に対する責任割合のことです。相手が60%、自分が40%というように割合を示すものです。
この過失割合によって、その分が差引かれてしまいます。これを過失相殺(かしつそうさい)といいます。
例えば、交通事故によって自分がケガをして治療費や休業損害、慰謝料等で合計損害額が300万円だとします。
過失割合は、相手も自分の同率50%という場合。
過失がなければ300万円支払われますが、50%過失があるため、過失相殺されて支払われる金額は150万円になります。
そして、この150万円はすべてが相手側の対人賠償保険から支払われるのではなく、相手側自賠責保険から120万円支払われるので、対人賠償保険からの支払いは30万円になります。
300万円の損害があるのに、受取れるのは150万円。自分の過失が50%あるため150万円は自己負担になってしまいます。
では、この分は、どうしたらいいのか?
この150万円を負担してくれる保険として、主として人身傷害(じんしんしょうがい)があります。人身傷害については、こちらをご覧ください。
対人賠償が支払われないケース
対人賠償は他人に対して支払われる保険です。
以下の方は「被保険者」になり、他人とはならないため、支払われません。
- 記名被保険者(保険証券に記載されている被保険者)
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者の配偶者の同居の親族
- 記名被保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
- 記名被保険者の承諾を得て契約の車を使用(運転)または管理中の者(=許諾被
- 保険者)。ただし、自動車取扱業者が業務受託中の場合は除きます。
- 記名被保険者の使用者。ただし、記名被保険者が契約の車をその使用者
- の業務に使用している場合に限ります。(労災保険保険の適用範囲となるため)