日本ではもれなく医療保険に加入するよう法律で義務付けられています。
そのため誰でも何らかしらの健康保険(公的医療保険)に加入しています。
- 大手企業のサラリーマンなら「○○健康保険組合」
- 公務員であれば「〇〇共済組合」
- 自営業者であれば「国民健康保険」
- 派遣社員であれば「はけんけんぽ」
- 75歳以上は後期高齢者医療
などです。
どの健康保険の被保険者となるのかは、職業や地域、あるいは年齢などによって異なってきます。続きは本文を参照ください。
2018/08/01 13:08:01
健康保険の種類には何がある
健康保険とひとくちで言っても、様々な種類があります。
たとえば、公務員を除くサラリーマン等が加入している健康保険の保険者という点からみれば、主に3つの種類になります。
健康保険組合連合会
大手企業等が独自に各健康保険組合を設立し、連合会に加入しています。健康保険組合は、健康保険の仕事を行う公法人です。常時700人以上の従業員がいる事業所や同種・同業で3,000人以上従業員が集まる事業所が、厚生労働大臣の認可を得て設立することができます。(例)IHIグループ健康保険組合、あいおいニッセイ同和健康保険組合、アクサ生命健康保険組合、朝日新聞健康保険組合、朝日生命健康保険組合など
全国健康保険協会
中小企業等で働く従業員やその家族が加入している健康保険です。以前は政府管掌健康保険という名称で、国(社会保険庁)で運営していましたが、平成20年10月1日に全国健康保険協会が設立され協会が運営しています。協会けんぽという名称でよばれています。
人材派遣健康保険組合
平成14年5月1日に人材派遣社員のために設立された組合です。派遣社員の雇用契約が終了後、次の契約までに一定の中断期間(待機期間)がある場合、原則、被保険者資格を喪失することになりますが、 一定の要件をすべてみたす場合は資格を喪失せず継続して被保険者になることができるのが特長です。
それでは、全体を通してみると、医療保険制度(健康保険)はどのように分類されるのか、職域と地域、後期高齢者医療制度に大別すると以下の表になります。
制度 |
被保険者 |
保険者 |
給付事由 |
||
---|---|---|---|---|---|
医療保険 | 健康保険 | 一般 | 健康保険の適用事業所で働くサラリーマン・OL(民間会社の勤労者) | 全国健康保険協会、健康保険組合 | 業務外の病気・けが、出産、死亡 |
法第3条第2項の規定による被保険者 |
健康保険の適用事業所に臨時に使用される人や季節的事業に従事する人等(一定期間をこえて使用される人を除く) |
全国健康保険協会 | |||
船員保険 | 船員として船舶所有者に使用される人 |
全国
健康保険協会 |
|||
共済組合 | 国家公務員、地方公務員、私学の教職員 | 各種共済組合 | 病気・けが、出産、死亡 | ||
国民健康保険 |
健康保険・船員保険・共済組合等に加入している勤労者以外の一般住民、自営業者 |
市(区)町村 | |||
退職者医療※ | 国民健康保険 | 厚生年金保険など被用者年金に一定期間加入し、老齢年金給付を受けている65歳未満等の人 | 市(区)町村 | 病気・けが | |
高齢者医療 | 後期高齢者医療制度 | 75歳以上の方および65歳~74歳で一定の障害の状態にあることにつき後期高齢者医療広域連合の認定を受けた人 | 後期高齢者医療広域連合 | 病気・けが |
※ 退職者医療は、平成20年4月から新しい高齢者医療制度の創設に伴い廃止されていますが、経過措置として平成27年度以降も、退職被保険者が65歳になるまで退職者医療制度で医療を受けることになります。
国民健康保険と社会保険(被用者保険)はどう違う
国民健康保険は、自営業者や無職など他の保険に属していない方が対象となります。
社会保険は、会社に勤務している正社員や正社員の3/4以上労働する方が対象です。
一番の大きな違いは、家族など扶養者を保険に加入させる場合の保険料です。
国民健康保険は、被保険者の人数によって保険料が違ってきますが、社会保険では何人入っても保険料には影響しません。
また、40歳以上になると介護保険料も納めることになりますが、その保険料にも違いが生じてきます。保険料率や計算方法が異なっているためです。
国民健康保険と社会保険の違いについては、こちらの健康保険と国民健康保険の違いについて知っておくべき9個のポイントに詳しく掲載しています。
健康保険加入者の加入者割合の分布
健康保険組合、協会けんぽ、派遣けんぽ、各種共済組合、国民健康保険、後期高齢者医療制度というように分類されますが、国民がどういった割合で加入しているのか示したのが下記の分布図です。出典:厚生労働省白書平成25年版
国民健康保険組合とは
上記の国民健康保険の約3800万人には、国民健康保険組合員約312万人が含まれています。国民健康保険組合とは、略して国保組合といい、同種同業者で組織されている団体です。全国では、164の国保組合が設立されています。
全国土木建築国民健康保険組合や文芸美術国民健康保険組合、東京芸能人国民健康保険組合、東京都医師国民健康保険組合、東京土建国民健康保険組合などがあります。
どこの健康保険に加入しているのかを知るためには?
健康保険の被保険者となれば、必ず「保険証」が交付されます。
下に掲示しているのは、国民健康保険の保険証の見本です。他の保険証でもクレジットカードほどの大きさになっています。
この保険証を見ればどこの健康保険に加入しているのかは保険者情報が載っていますので一目瞭然です。
学生や年収が130万円未満の人は、家族がいれば主に世帯主の健康保険に加入しています。親が国民健康保険に加入しているならば、国民健康保険の被保険になります。また親が大手企業に勤めていて健康保険組合に加入しているならばそこの被扶養者になります。被保険者と被扶養者の違いについてはこちらのページを参照してください。ただし年収が130万円を超えてきますと扶養者になりませんので、独自に健康保険に加入します。
以上、健康保険の種類にはどのようなものがあるのかご存知ですか?でした。
該当カテゴリー:健康保険
関連カテゴリー:雇用保険(失業保険)、労災保険、生命保険