失業保険から基本手当を受給するためには、規定回数の求職活動実績を踏まえたうえで、失業認定を受ける必要があります。この日を失業認定日といい、原則4週間に一度ハローワークに行って確認を受ける必要があります。

 

しかしながら、本人の急病や親族の葬儀等の各種事情により行けない場合もでてきます。さすがに急病なら変更が認められますが、認められないものあります。そこで、どのような理由のものが失業認定日の変更が認められるのか。その内容について解説します。

 

2016/09/05 15:31:05

認定日にハローワークに行けないと失業給付はどうなるの?

「うっかり忘れて失業認定日に行かなかった。失業給付はどうなってしまう?」こういった場合には、変更は認められませんので、失業給付4週間分がもらえなくなります。

 

もらえないといってもこの分は、先延ばしになるだけで、減るわけではありません。ですが、受給期間内(離職の翌日から1年間)にもらいきらないと、いくら受給日数が残っていても消滅してしまいますから注意が必要です。

 

失業認定日の変更が認められるもの

失業認定日にハローワークに行くのが原則ですが、以下の理由のものについては特別扱いにより変更が認められています。ただし、理由がわかっているものについては事前にハローワークに連絡して指示を受ける必要があります。

 

ハローワークでは、変更の申し出があった場合に、確認のため証明書の提出や聴聞を行い、真にやむ得ない理由であるという心証が得られた時だけ認定が行われています。

 

証明書の提出により失業認定日の変更が認められるもの

以下のものは、それぞれの証明書の提出によって失業認定日の変更の認定が行われます。それにより指定認定日に行けなくても、やむを得ない理由がやんだ後の最初の認定日に来所すれば、失業の認定を受けることができるとされています。「雇用保険法15条第4項」、「雇用保険法施行規則(証明書による失業の認定、第25条~28条)」

 

①病気、ケガで働くことができない

突発的な病気や交通事故などのケガの具合によっては、認定日に来所できないことがあります。働くことができない期間が14日以内の場合は、疾病又は負傷が治った後の最初の失業の認定日に受給資格者がハローワークに行き、印鑑、通常必要な受給資格者証と失業認定申告書に加えて傷病証明書を提出します。

 

これにより、認定日の認定対象期間も含めて失業の認定を受けることができます。なお、疾病等の期間が15日以上にわたり就労不能な状態が続くときは失業と認めらないため、雇用保険の失業手当に代えて同額の傷病手当が支給されます。

 

②公共職業安定所の紹介による求人企業の面接

失業認定日と求人企業の面接が同日になり来所ができない場合には、求人企業に面接した後における最初の認定日にハローワークに行き、印鑑、受給資格者証、失業認定申告書に加え、面接証明書の提出をします。

 

なお、求人企業の行う採用試験を受験する場合においても、これと同様の取扱いにより失業の認定を受けることができます。

 

③ハローワークの指示した公共職業訓練等を受けるため

職業訓練中は、ハローワークに行くことで訓練の妨げとなるため、公共職業訓練施設等の職員が代理人になって手続きを行います。公共職業訓練等受講証明書、受給資格者証、失業認定申告書、委任状を提出することにより失業の認定を受けることができます。

 

④天災その他やむを得ない理由のためにハローワークに行けなかったとき

天災や水害、火災、地震、暴風雨雪、暴動、交通事故などのため認定日にハローワークへ来所できない場合には、事故がやんだ後における最初の認定日に印鑑、受給資格者証、失業認定申告書に加え、市町村長、駅長等の証明書の提出をすれば、本来の対象となる期間を含めて認定を受けることができます。

上記以外のやむをえない理由で失業認定日の変更が認められるもの

原則、事前にハローワークへの連絡が必要になります。
⑤本人の婚姻
通常結婚式の日程は本人たちが決めるものですが、式場等の混雑状況により、新婚旅行も含めて認定日と重なることも考えられます。このような場合も失業認定日の変更は認めれています。
⑥法事
配偶者や3親等以内の血族または姻族の命日の法事
⑦検定等資格試験の受験、各種国家試験
⑧ハローワークの紹介によらないもので求人者に面接する場合
採用試験も含みます。
⑨ハローワーク等の指導により各種講習等を受講する場合
⑩就職したとき(認定日当日のみ働くようなごく短期間のものを含む)
パートやアルバイト等で認定日にハローワークに行けない場合は、採用証明書の提出により変更の取り扱いが認められます。

 

⑪親族の看護、危篤または死亡、婚姻
⑫選挙権、その他公民としての権利を行使する場合
⑬中学生以下の子弟の入学式または卒業式
⑭親族の傷病によって看護が必要
親族とは、6親等以内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族をいい、これらの方が傷病により、受給資格者本人の看護が必要とする場合をいいます。
⑮親族の配偶者の危篤または死亡や葬儀
⑯地方公共団体が主催する成人式への出席

 

 

まとめ

失業認定日には、ハローワークに行くのが原則です。ただし以下のもの等については例外として変更が認められます。

 

  • 就職したとき(認定日当日のみ働くようなごく短期間のものを含む)
  • 働くことができない期間が14日以内の病気、ケガ
  • 公共職業安定所の紹介による求人企業の面接
  • 公共職業訓練等を受けるため
  • 天災等で行けない
  • 配偶者や3親等以内の血族または姻族の命日の法事
  • 親族の看護、危篤または死亡、婚姻
  • 親族の配偶者の危篤または死亡や葬儀など

以上、「失業認定日の変更が認められる理由には何がある」の紹介でした。

 

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