雇用保険料を支払っていたからといって、会社を退職さえすれば失業保険から手当がもらえるわけではありません。もらえる条件に合致し、その上で自分自身で手続きをする必要があります。
では、その条件とは何か?どこでどのような手続きをすればいいのか、その時にどんな書類が必要なのか、いつもらえるのか、どのくらいの期間もらえるのか、合計でいくらもらえるのかなど方法と手順について解説します。
2016/08/15 10:24:15
記事投稿者:Syu Hama
失業保険手当を受取るための必要書類と手続
失業保険手当を受取るためには、ハローワークに手続きにいきます。もちろん手ぶらというわけではありません。(笑い)
もしも離職表を紛失してしまったときには、再発行ができます。詳しくは、雇用保険の離職証明書と離職票の違いはなに?再発行はどうすればいいの?の記事をご覧ください。
雇用保険被保険者証については、すでに手元にお持ちかと思います。
同様に紛失してしまったときには、雇用保険被保険者証を亡くした場合の再発行手続きの記事をご覧ください。
郵送での手続きはできません。
※開庁時間がありますからご注意ください。
求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。
記入し終わったら、離職票や、雇用保険被保険者証、身分証明書、銀行通帳と共に窓口に提出します。ここでハローワークカードと冊子が渡されます。
その後、離職理由などの質問と日程等の説明を受け、提出書類に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。
必要書類
- 離職票-1
- 離職票-2
- 雇用保険被保険者証
- マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知カード)
- 身元証明書(運転免許証や顔写真付きの資格証明書)
- 印鑑
- 写真2枚(タテ3センチ、横2.5センチ、1枚は離職票-2の下部の写真貼付欄に貼る)
- 本人名義の預金通帳
- 船員であった方は、船員失業保険証および船員手帳
離職票1と2とは
離職表については、通常は離職後2週間以内には会社から送られてきます。会社の手続き次第で遅くなる場合もあります。もしも離職表を紛失してしまったときには、再発行ができます。詳しくは、雇用保険の離職証明書と離職票の違いはなに?再発行はどうすればいいの?の記事をご覧ください。
雇用保険被保険者証については、すでに手元にお持ちかと思います。
同様に紛失してしまったときには、雇用保険被保険者証を亡くした場合の再発行手続きの記事をご覧ください。
手続きはハローワークに行きます
上記の書類がそろったらお住いの管轄のハローワークに行って手続きをします。郵送での手続きはできません。
※開庁時間がありますからご注意ください。
開庁時間
平日の8:30~17:00が基本的な開庁時間です。最初に行うのは求職手続き
ハローワークに行って最初の手続きは、失業保険をもらうための手続きではありません。「求職の申込み手続」です。求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。
記入し終わったら、離職票や、雇用保険被保険者証、身分証明書、銀行通帳と共に窓口に提出します。ここでハローワークカードと冊子が渡されます。
その後、離職理由などの質問と日程等の説明を受け、提出書類に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。
雇用保険受給資格者のしおりを受取る
「雇用保険受給資格者のしおり」が手渡され、この日の手続きはこれで終了となります。次回は、「雇用保険受給資格者のしおり」に指定されている日時の「雇用保険説明会」に必ず出席します。失業保険手当はいつからもらえるの?
失業保険手当は、いつもらえるのか。
離職理由によって違ってくるので一概には言えません。
その他に、派遣などで期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職した者などは、「特定理由離職者」になります。
最終的な離職理由の判定は、ハローワークが行いますが、この離職理由によってすぐにもらえるのか、あるいは3ヵ月経過後にもらえるのかで違ってきます。
「一般受給資格者」は、支給の開始は、7日間の待機期間が経過した後になっています。しかしながら、7日間が過ぎたからといって、すぐに銀行口座に振込まれるわけではありません。
そこで、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する方の具体的な事例として見てみましょう。
次に雇用保険説明会が8月29日だとすれば、これに参加し、失業認定申告書の書き方や雇用保険制度についてビデを見たり説明を2時間ほど受けます。また、この説明会で雇用保険受給資格者証を受け取ります。
9月13日が第1回の失業認定日。この日は、ハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。その後、この日から約7日間後までには失業手当21日分が口座に振込まれます。
10月11日は、 第2回の失業認定日になります。この日もハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。
前回の失業認定日9月13日から10月10日までに求職として認められる活動を2回以上行っている必要があります。10月17日には2回目の手当28日分が振込まれます。
このようなスケジュールで4週間に一度失業認定が行われ進んでいきます。
次に「自己都合による離職」のスケジュールはどうなっているのか見てみましょう。
12月6日が第2回目の失業認定日となり、12月12日頃に初めての手当が振込まれることになります。
初めてハローワークに行ったのが8月17日ですから、アルバイトでもしなければ約4カ月間も無収入になります。
それでは、合計でもらえる手当の日数は、どうなっているのでしょうか。これらは離職時の満年齢や被保険者期間によって違ってきます。
特定受給資格者と特定理由離職者の詳細については、倒産と会社都合で退職したときの失業保険、特定受給資格者について解説をご覧ください。
詳細については、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。
離職理由によって違ってくるので一概には言えません。
離職理由とは
離職理由とは、自己都合による離職、あるいは会社倒産や解雇などによるものかを言います。専門用語では、自己都合による離職を「一般受給資格者」、会社倒産や解雇などによるものを「特定受給資格者」といいます。その他に、派遣などで期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職した者などは、「特定理由離職者」になります。
最終的な離職理由の判定は、ハローワークが行いますが、この離職理由によってすぐにもらえるのか、あるいは3ヵ月経過後にもらえるのかで違ってきます。
「一般受給資格者」は、支給の開始は、7日間の待機期間が経過した後になっています。しかしながら、7日間が過ぎたからといって、すぐに銀行口座に振込まれるわけではありません。
そこで、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する方の具体的な事例として見てみましょう。
支給事例1
8月17日にハローワークに求職の手続きに行って失業保険受給資格者に認定されたとします。この日から7日間となる8月23日までは待期期間となります。次に雇用保険説明会が8月29日だとすれば、これに参加し、失業認定申告書の書き方や雇用保険制度についてビデを見たり説明を2時間ほど受けます。また、この説明会で雇用保険受給資格者証を受け取ります。
9月13日が第1回の失業認定日。この日は、ハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。その後、この日から約7日間後までには失業手当21日分が口座に振込まれます。
10月11日は、 第2回の失業認定日になります。この日もハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。
前回の失業認定日9月13日から10月10日までに求職として認められる活動を2回以上行っている必要があります。10月17日には2回目の手当28日分が振込まれます。
このようなスケジュールで4週間に一度失業認定が行われ進んでいきます。
次に「自己都合による離職」のスケジュールはどうなっているのか見てみましょう。
自己都合の受取りスケジュール
自己都合による離職は、待期期間となる7日間の翌日から3ヶ月間は給付制限期間があります。つまり11月21日が給付制限終了日となりますから、この間は求職活動しても入金はされません。12月6日が第2回目の失業認定日となり、12月12日頃に初めての手当が振込まれることになります。
初めてハローワークに行ったのが8月17日ですから、アルバイトでもしなければ約4カ月間も無収入になります。
それでは、合計でもらえる手当の日数は、どうなっているのでしょうか。これらは離職時の満年齢や被保険者期間によって違ってきます。
会社都合等での離職の場合の失業手当の給付日数
解雇や倒産など会社側からの働きかけによる離職である特定受給資格者と特定理由離職者が該当します。特定受給資格者と特定理由離職者の詳細については、倒産と会社都合で退職したときの失業保険、特定受給資格者について解説をご覧ください。
区分 |
被保険者になっていた期間 |
||||
---|---|---|---|---|---|
ー | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上35歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35歳以上45歳未満 | 90日 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
自己都合での離職の場合の失業手当の給付日数
自己都合で離職(一般受給資格者)の場合は次の日数になっています。区分 |
被保険者になっていた期間 |
||||
---|---|---|---|---|---|
ー | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
全年齢 | ー | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
就職困難者の失業手当給付日数
身体障害者、知的障害者、精神障害者、刑法等の規定により保護観察に付された方、社会的事情により就職が著しく阻害されている方が該当します。区分 |
被保険者になっていた期間 |
||||
---|---|---|---|---|---|
- | 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 |
45歳未満 | 150日 | 300日 |
|||
45歳以上60歳未満 | 150日 | 360日 |
詳細については、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。
失業保険手当はいくら?
ここまでで、失業保険の手続きについてとスケジュール、受取れる日数について説明しました。ここでは、どのくらいの金額を受取れるのかについて説明します。
合計で受け取れる金額は、「基本手当日額×所定給付日数」で計算します。
では、基本手当日額とは何をいうのでしょうか。
この基本手当日額は、原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)になります。この金額に複雑な計算式をあてはめたものが基本手当日額です。
※失業保険の賃金日額計算は賞与等は除きます。
さらにこの賃金日額を基に決められた式で計算したのが基本手当日額です。※上限額があります。
もしも、年齢が30歳以上35歳未満で倒産や解雇など会社都合による離職。
被保険者期間が5年以上10年未満、賃金日額が1万円だとしたら基本手当日額は5,705円、所定給付日数は180日です。よってもらえる合計額としては、5,705円×180日=1,026,900 円。
勤めていたころの給料は6カ月で180万円です。
それから見れば失業保険手当は約57%程になります。
この場合は、基本手当日額は7,105円です。
180日分で合計1,278,900円です。勤めていたころの給料は6カ月で300万円ですから約42%程になります。
このように基本手当日額には上限額があるため賃金が高い人ほど給付率は下がってしまいます。
詳しくは、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。
以上、失業保険の手続きはどうすればいいの?記事でした。
合計で受け取れる金額は、「基本手当日額×所定給付日数」で計算します。
では、基本手当日額とは何をいうのでしょうか。
基本手当日額とは
1日あたり受取れる失業保険の金額を「基本手当日額」といいます。この基本手当日額は、原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)になります。この金額に複雑な計算式をあてはめたものが基本手当日額です。
※失業保険の賃金日額計算は賞与等は除きます。
計算事例1
具体例として、退職前の6カ月間の賃金の総額が180万円だとします。この180万円を180で割ると180÷180=1万円となります。この数字が賃金日額です。さらにこの賃金日額を基に決められた式で計算したのが基本手当日額です。※上限額があります。
もしも、年齢が30歳以上35歳未満で倒産や解雇など会社都合による離職。
被保険者期間が5年以上10年未満、賃金日額が1万円だとしたら基本手当日額は5,705円、所定給付日数は180日です。よってもらえる合計額としては、5,705円×180日=1,026,900 円。
勤めていたころの給料は6カ月で180万円です。
それから見れば失業保険手当は約57%程になります。
計算事例2
それでは、同じ条件で給料のみが退職前の6カ月間の賃金の総額が300万円ならどうなるでしょうか。この場合は、基本手当日額は7,105円です。
180日分で合計1,278,900円です。勤めていたころの給料は6カ月で300万円ですから約42%程になります。
このように基本手当日額には上限額があるため賃金が高い人ほど給付率は下がってしまいます。
詳しくは、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。
以上、失業保険の手続きはどうすればいいの?記事でした。
5、まとめ
失業保険の手続きはハローワークで行います。その際に持っていくものは、離職票と雇用保険被保険者、マイナンバーカード等になります。
ハローワークでの最初の手続としては、求職の申込みです。
求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。記入し終わったら、離職票や身分証明と共に窓口に提出します。
書類等に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。その後、「雇用保険受給資格者のしおり」が手渡され、この日の手続きはこれで終了です。
実際に失業保険が受取れるには、離職理由によって異なってきます。会社都合であれば所定の手続きを踏めば1ヵ月くらいで入金されます。ですが、自己都合ともなると、初めてハローワークに行った日から4カ月くらいは入金がされません。
受取れる合計給付額は、離職時の満年齢、被保険者期間、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金によって違ってきます。
以上、「失業保険の手続きはどうすればいいの?」でした。
該当カテゴリー:雇用保険(失業保険)
関連カテゴリー:労災保険、健康保険
ハローワークでの最初の手続としては、求職の申込みです。
求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。記入し終わったら、離職票や身分証明と共に窓口に提出します。
書類等に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。その後、「雇用保険受給資格者のしおり」が手渡され、この日の手続きはこれで終了です。
実際に失業保険が受取れるには、離職理由によって異なってきます。会社都合であれば所定の手続きを踏めば1ヵ月くらいで入金されます。ですが、自己都合ともなると、初めてハローワークに行った日から4カ月くらいは入金がされません。
受取れる合計給付額は、離職時の満年齢、被保険者期間、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金によって違ってきます。
以上、「失業保険の手続きはどうすればいいの?」でした。
該当カテゴリー:雇用保険(失業保険)
関連カテゴリー:労災保険、健康保険